意外と知らない砂糖のお話・正しい知識で消費拡大
「砂糖」は、どの家庭でも使用する調味料のひとつです。
さまざまなものに使われており、口にしない日の方が少ないのではないでしょうか。
食卓に甘みを加える砂糖は、たくさんの魅力・効果を持っていますが、実は誤解されていることも多いようです。
食生活に欠かせない「砂糖」の正しい知識を身につけ、自分に合った「甘くておいしい食生活」をめざしましょう!
砂糖の原料と種類
上白糖やグラニュー糖などの一般家庭で使われている砂糖は、おもに「甜菜」「サト
ウキビ」の2種類を原料としています。
甜菜は寒冷地、サトウキビは温暖地で生育することから、国内での砂糖の生産は北海道と南西諸島に集中しています。
甜菜・サトウキビを原料とした砂糖には、糖みつを分離した「分みつ糖」、分離しない「含みつ糖」があります。
さらに細かい分類は11 種類あり、それぞれの特徴に応じて、さまざまな料理に活用されています。
私たちになじみ深い甜菜。見た目が
似ていることから「サトウダイコン」と
も呼ばれるが、実はホウレンソウの仲間。
南方で作られているサトウキビ。高
温・乾燥の環境下で高い光合成能力を
発揮するイネ科の植物。
「分みつ糖」と「含みつ糖」
「分みつ糖」
分みつ糖は、料理などによく使われ、私たちの生活にもっとも近い砂糖です。
上白糖・グラニュー糖・三温糖・中ざら糖・白ざら糖・角砂糖・氷砂糖・粉砂糖・顆粒状糖の9種類があります。
上白糖
中ざら糖
含みつ糖
含みつ糖は、分みつ糖に比べて純度が低いため、色や味が大きく異なるぶん、独特の風味があります。黒糖・和三盆の2種類があります。
黒糖
和三盆
北海道は甜菜の一大生産地
日本の砂糖生産量のうち、約75%が甜菜を原料としており、そのすべてが北海道で栽培されています。
甜菜に含まれる糖分は15%~20%で、1個の甜菜から大さじ12杯~15杯分程度の砂糖が採れます。
糖分の量は、その年の天候によって大きく変動します。とくに気温が重要で、昼と夜の気温差が大きいほど、たくさんの糖分が生成されます。
北海道は、9月になると夜の気温が大きく下がるため、甜菜栽培に適しています。
苦境に立たされる砂糖
生産に関する課題
生産性の向上により、面積あたりの生産量が多くなっていますが、作付戸数と作付面積は減り続けています。
消費に関する課題
砂糖の消費は減少傾向で、1980年代には約22キログラムだった一人あたりの年間消費量が、2020年には14.1キログラムまで減っています。また、「甘味」全体の消費は微減であることから、加糖調製品や異性化糖、人工甘味料が砂糖の代わりになっていることも、消費が減っている要因のひとつです。
砂糖以外の甘味料
加糖調製品
砂糖とほかの食品素材を混ぜ合わせた食品加工用の甘味料です。
- 砂糖より安く、コスト削減になる
- 菓子パンや飲料などに使用
- 大半が輸入品
異性化糖
ブドウ糖や果糖を主成分とする液状糖です。
- パン類、飲料、乳製品などに使用
- 輸入したコーンスターチから生成
- 成分表記の「果糖ぶどう糖液糖」はコレ
人工甘味料
化学合成でつくられる甘味料です。
- 甘さが砂糖の200倍~600倍ある
- 体内で消化吸収されない
- 国によって使用が制限または禁止
砂糖のもつイメージ
砂糖は、古くから高級品として世界で取り引きされていました。しかし、1980 年代以降は「食べると太る」「糖尿病になる」「虫歯になる」など、健康を損ねる食品だと考え、敬遠する人が増えました。
現在もそのイメージは根強く残っており、できるだけ摂取を控える人が多くいるようです。
健康的ではないイメージの砂糖。でも、そんなことはありません!
糖分はカラダに必要なエネルギー。偏見や思い込みをなくして、砂糖の正しい姿を知ろう!
砂糖の知識を正しく身につけよう
お砂糖Q&A
Q. なぜ「疲れたときは甘いもの」?
A. 疲れると、体が消費したエネルギーの補給を求めます。甘いものはすぐに吸収されるため、エネルギーの補給効率が良いからです。
Q. 精神的な疲れにも効果がある?
A. あります。脳の活動も、糖分がエネルギー源です。甘いものを食べてホッとするのは、脳のエネルギー補給が関係しています。
Q. 上白糖とグラニュー糖の違いって?
A. 上白糖は結晶が細かく、しっとりした砂糖で、グラニュー糖は上白糖より結晶が大きく、サラサラした砂糖です。
Q.1日の適正摂取量は?
A. 人それぞれです。糖質は炭水化物の一種です。自分の体と健康状態、ほかの栄養素とのバランスで考えましょう。
立ち昇る蒸気は冬の風物詩「製糖の地 しべつ」
道内で、甜菜から砂糖を製造する「製糖所」は8カ所あります。
本市の「日本甜菜製糖株式会社士別製糖所」(昭和11年創業)では、秋になると上川・空知・留萌の3管内で育てられた甜菜が運び込まれ、製糖作業がスタートします。
作業は翌年1月まで行われ、厳寒の青空に水蒸気が立ち昇るようすは、毎年見ることができる冬の風物詩です。
もっとおいしく砂糖を摂ろう!
正しい知識を身につけておけば、適量の砂糖を使ってよりおいしく食べることができます。
また、砂糖に興味が出てきたら、違う種類の砂糖を買って食べ比べるなど、楽しみ方もいろいろです。
あなた好みの「砂糖の味わい方」を探してみましょう!
お砂糖紹介
ビートオリゴ
オリゴ糖を含む液状甘味料です。このオリゴ糖には、ビフィズス菌を増殖させる効果があります。
上白糖
白砂糖と呼ばれ、分みつ糖に分類されます。結晶が非常に小さく、料理やお菓子などさまざまな用途に使えます。
グラニュー糖
クセのない甘みが特徴で、分みつ糖に分類されます。とけやすいため、飲み物に入れることが適しています。
お砂糖マメ知識
「料理のさしすせそ」 順番も重要!?
調味料の「さしすせそ」は、実は順番も重要です。「さしすせそ」の順番どおりに使う
ことが、一番料理をおいしくすると言われています。砂糖を最初に使うことで、砂糖のおいしさを一層引き出します。
砂糖は「塩」だった!?
砂糖は、約2,500年前のインドで製法が確立されたといわれており、当時は「薬」扱いでした。衰弱や疲労に効く、非常に貴重な回復薬として「インドの塩」と呼ばれていたそうです。
「ノンシュガー」のワナ!?
「ノンシュガー」「シュガーレス」という言葉をよく耳にします。確かに砂糖は使っていませんが、砂糖以外の糖分が入っていたりします。砂糖の有無だけではなく、ほかの成分もしっかり見てみましょう。
料理での砂糖の効果とは!?
砂糖は、食べ物に「甘み」をもたらすだけでなく、調理においてさまざまな効果をもたらします。
(例)泡が長持ちする、脂肪の酸化を防ぐ、乾燥を防ぐ、味と香りを引き出す、腐敗を防ぐ、パンが膨らむ
この記事に関するお問い合わせ先
経済部 農業振興課 農政係
電話番号 0165-26-7030
更新日:2023年02月15日