見抜け!特殊詐欺の手口

更新日:2024年01月04日

机の上に一万円札が数枚、ノートの上に置かれたボールペン、白色の固定電話が置いてある写真。写真中央から硝子がひび割れているようなエフェクトがかかっている。

特殊詐欺は、手を変え品を変え、さまざまな手口で私たちから金品をだまし取ろうとする犯罪です。増え続ける特殊詐欺の被害を防ぐには、一人ひとりがその手口を知り、毅然と対応することが効果的です。

今回は、特殊詐欺に関する被害や相談の事例を挙げて、対処法を紹介します。

特殊詐欺の発生状況

道内の特殊詐欺発生状況

道内における特殊詐欺の発生件数は、過去5年間でみると160件前後で推移していましたが、令和4年は308件と急増しています。

また、被害総額も年々増加傾向にあり、令和4年では約12億4000万円と前年と比べて倍増しました。

種類別でみると、「オレオレ詐欺」「架空料金請求詐欺」が半数以上を占めていますが、近年は「還付金詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」も増加しています。

令和5年は、9月末現在で件数120 件(前年同期比115件減)、被害額は約2億7700 万円(前年同期比約6億6000万円減)となっています。

手口の傾向としては、架空請求が29.2パーセント、還付金詐欺が24.2パーセント、オレオレ詐欺が21.7パーセントとなっているほか、「預貯金詐欺」「融資保証金詐欺」なども発生しています。

市内の特殊詐欺発生状況

士別警察署からの情報によると、令和5年1月から9月末までの間、市内での特殊詐欺発生件数は、被害届が出ているもの(既届)が1件、未遂を含む相談(未届)が13 件の計14 件です。

そのうち被害が発生したのは6件で、総額約630 万円となっており、被害が発生した手口はすべて架空請求で、有料サイトの利用料や電話料などの支払い請求、ウイルス感染を装ったパソコンの復旧料金などを要求してくる事案でした。

また、全体の傾向として「電子マネー」での金銭要求が増加しており、令和5年の被害のうち8割を占めています。

昨年の同時期と比較すると、件数は同数の14 件(既届2件、未届12 件)ですが、被害額は昨年の約61 万円から10 倍以上に増えており、1件あたりの被害が大きくなっています。

市内の被害をまとめると

市内の特殊詐欺発生傾向をまとめると、以下のようになります。

  • 手口は架空請求である
  • 電子マネーで金銭を要求する
  • 金額が大きくなっている

今後このような特殊詐欺被害に遭わないためにも、実際に市内で発生した相談事例で手口を確認してみましょう。

実際の相談事例

相談事例1「儲ける副業あります」

左手にスマートフォンを持ったグレーのスーツ姿の男性が、「登録するのに数万円?どうせすぐ元取れるっしょ!」と発言しているイラスト
グレーのスーツ姿の男性が、「ちょっ、ま、待って」と発言しているイラスト。頭上から文字で、アプリダウンロード、参考教材、プレミア登録、パソコン同期機材、サブスク登録という文字が男性に向かって降ってきている。
グレーのスーツ姿の男性がうなだれ、「だ、だまされた?」と発言しているイラスト。男性の頭上には総額数百万円也と書かれている。

副業を探し、数万円の登録料を支払って副業サイトに登録した男性。すぐに元が取れると思っていましたが、次々に追加料金が発生し、気付けば数百万円を支払ってしまいました。

市内50代女性からの相談事例

動画投稿サイトに掲載されていた副業に関する広告に興味を持ち、メッセージアプリに登録しました。約50 万円の高額なテキストをクレジットカードで決済し、ウェブでお試し講座に参加したが、講座の内容が理解できませんでした。解約する方法はありませんか。

相談結果

契約書面にクーリングオフ(無条件での契約解除)の記載があったため、簡易書留ハガキにより解約の手続きを行い、全額返金されました。

ここに注意!

  • 広告や勧誘の言葉をうのみにしない

「負担ゼロで始められる」とうたっていても、高額な商材や登録料を要求されることがあります。

  • 個人情報、身分証明書は安易に渡さない

悪質業者は、背後で情報を売買しています。一度でも情報が渡ると、他の悪質業者からもターゲットにされる可能性が非常に高まります。

  • 支払う前に、クーリングオフの可否を確認する

通信販売は、クーリングオフができません。

相談事例2「パソコンがウイルスに感染」

おばあさんが困った様子でパソコンの画面を見て、「久しぶりにパソコンを開いたら」と発言しているイラスト。
濃いグレーのノートパソコンの画面に、赤い背景に黒い文字で「ウイルスに感染しています」と書かれているイラスト
右手にスマートフォンを持ったおばあさんが、混乱した様子で「どうしよう、個人情報は?中のデータは?え、個々に電話?サポートで治る?」と発言しているイラスト。

久しぶりにパソコンを開くと、画面に「ウイルスに感染しています」と表示されていました。記載された電話番号に電話しましたが、そこでは高額な代金を請求されてしまいました。

市内60代女性からの相談事例

パソコンを久々に開くと「ウイルスに感染した」と警告メッセージが延々と表示され、操作ができなくなってしまいました。画面に出た連絡先に電話し、対応した外国人男性の指示に従って操作したが、サポート料金としてコンビニの電子マネーを支払うよう要求されました。サポートを受けなければ今後OSを利用できなくなると言われましたが、支払うべきでしょうか。

相談結果

電子マネー購入直前に相談があり、パソコンを確認したところ、偽の警告であることが判明しました。警察へ通報したことを伝えると、電話はすぐに切れました。

ここに注意!

  • こちらからは絶対に連絡しない

正規のセキュリティサービスは、警告画面で電話をかけさせることも、金銭を要求することもありません。

  • 電子マネーでの支払いは一度踏みとどまる

カード番号だけで利用できる電子マネーは、一度支払ってしまうとほとんどの場合取り返すことができません。

  • 旧式OSはウイルスに無防備

サポートが終了したOS(Windows8など)は、セキュリティが更新されないため、非常に危険です。OSのアップグレードや買い換えを検討しましょう。

特殊詐欺の被害に遭わないために

ここまで特殊詐欺の被害状況や実際の事例を紹介してきました。

では、特殊詐欺の被害に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか。

士別地区広域消費生活センターの相談員に聞きました。

まずは消費生活センターに相談を!

佐々木消費生活相談員が講話をしている様子

相談員の佐々木さん

消費生活センターに寄せられる相談は、氷山の一角です。

加齢や認知症で判断能力の低下が見られる高齢者などは、消費者トラブルにあいやすくなります。

そこで、地域に住む皆さんをつなぐことが、早期発見・早期解決のために大切です。

悪質業者はだましのプロです。消費者が直接交渉してしまうと、知識や交渉力などの差から、被害が拡大したり、長期間解決しないこともあります。

そのため、センターが相談者へ助言をしたり、事業者との間に入り、公正な立場での斡旋交渉を行います。1 人で悩まず、消費生活センターにご相談ください。

変化する詐欺の手口にアンテナを張ろう!

真田消費生活相談員が講話をしている様子

相談員の真田さん

本市には、地域社会のさまざまな組織や団体・企業などが地域の見守りに取り組む「消費者被害防止ネットワーク」があります。

ネットワークでは、消費生活などについて注意喚起する「士別地区!くらしねっと情報」を配信し、被害未然防止、拡大防止に努めています。公共施設や銀行などのほか、市のホームページにも掲載しているので、加盟団体だけでなく市民の皆さんもタイムリーな相談事例を確認できます。

また、月に一度新聞記事にトラブル事例の問題点・解決方法などを掲載しています。

「劇団さくら」の啓発活動

士別消費者協会が実施している「劇団さくら」の取り組みでは、悪質商法や架空請求などの特殊詐欺、契約トラブルなどの被害に遭わないよう「寸劇」でその手口と対処法を紹介しています。

劇団は、士別消費者協会の理事と消費生活相談員で構成されており、年間20 回以上の出前講座を実施しています。

寸劇は、市内で発生した詐欺被害や消費生活センターに寄せられた相談事例をもとに、最新の手口も取り入れたシナリオです。

実際の事例を寸劇で表現することで、見る側にとって身近に感じやすく、わかりやすいと好評で、市外を含め多くの申し込みがあります。また全国の団体にもシナリオを提供しています。

劇団さくらが、催眠商法の演目を演じている様子。右側の業者役の女性と中央の業者役の男性が卵パックを手に持ち、左側の参加者役の6人が手を上げている.

劇団さくらによる催眠商法についての寸劇の様子です。受講者も劇中に参加し、詐欺の手口を体感できます。

劇団さくらを呼んでみませんか

劇団さくらが、灯油タンクの千条トラブルについての寸劇を演じている様子。

消費生活センターでは、劇団さくらの公演を含めた「消費者被害防止出前講座」の申込みを受け付けています。

特殊詐欺は、年齢や性別、立場、環境に関係なく「狙われるときは狙われる」犯罪です。
各種交流会はもちろん、職場研修としても出前講座を開講してみませんか?まずは問い合わせください。

問合せ先

士別地区消費生活センター0165-23-3820

消費者トラブルなどでお困りのときは

士別地区広域消費生活センターでは、悪質商法などの消費者トラブルに対応するため、士別市、和寒町、剣淵町、幌加内町にお住まいの方が利用できる相談窓口を開設しています。

相談者や相談内容などの秘密は守られます。一人で悩まず、まずは早めにご相談ください。相談は無料です。

くわしくは、下記リンクをご確認ください。

広報紙でも掲載しています

士別詩吟会創立70周年記念吟道大会の様子を使った、広報令和5年11月号の表紙。

本ページの内容は、広報しべつ令和5年11月号にも掲載しています。

市内各所で配布しているほか、本ホームページでも閲覧できます。

より詳細な内容となっていますので、興味のある方は、下記のリンクからご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 くらし安全課 くらし安全係
電話番号 0165-26-7736

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