医療事故等の一括公表

更新日:2023年06月16日

士別市立病院のインシデント及びアクシデントについて

当院では、医療事故の発生・拡大・再発を予防し「医療の質」の確保と「安全な医療」を提供するために、医療安全体制を確立する努力をしています。

1.医療安全の基本方針

医療安全は、医療の質に関わる重要な課題である。また、安全な医療の提供は医療の基本となるものであり、本院及び職員個人が、医療安全の必要性・重要性を施設及び自分自身の課題と認識し、医療安全管理体制の確立を図り安全な医療の遂行を徹底することがもっとも重要である。

このため、本院は、本指針を活用して、医療安全管理委員会及び医療安全管理室を設置し、医療安全管理体制を確立するとともに、院内の関係者の協議のもとに、独自の医療安全管理規程及び医療安全管理のためのマニュアル(以下、「マニュアル」という。)を作成する。また、インシデント事例及び医療事故の評価分析によりマニュアル等の定期的な見直し等を行い、医療安全管理の強化充実を図る必要がある。

2.医療事故の考え方(用語の定義)

【医療事故】

医療に関わる場所または医療行為に起因して生じた事故で、損害が発生しているものを総称して医療事故といいます。この場合、医療関係者の過誤(過失)の有無は問いません。

「入院中、夜中にベットから落ちてしまった」「外来受診のため来院中に転んでしまった」なども医療事故に含まれます。

患者影響事故レベルを分類した表の画像

【ヒヤリ・ハット】

医療に関わる場所または医療行為に起因して間違いが発生したが、実施前に発見でき、未然に防ぐことが出来た場合を言います。事故レベルは0a~0bとなります。

【インシデント】

医療に関わる場所または医療行為に起因して間違いが発生したが、患者さんには実施されなかった場合、または患者さんには変化が生じない場合を言います。事故レベルは0~2に分かれます。

【アクシデント】

医療に関わる場所または医療行為に起因して、患者さんに死亡を含む何らかの障害が発生した、または障害は発生していないが観察の必要性がでた場合を言います。

事故レベルは3a~5に分かれます。

3.医療事故の報告体制

重大な事故、軽微な事故、ヒヤリハットの概念をピラミッド型に表現した図

医療の原点は患者さんに安全な医療を提供する事です。本院では、事故レベルに関係なく、医療事故発生時には報告書をあげるように努力しております。その理由として、1件の重大な事故の背景には29件の軽微な事故があり、その背景には300件のヒヤリ・ハットが存在すると言われているからです。この概念は工業の業界で言われている数値であり、医療業界は同じとは言えませんが多くの病院で参考にしている指標の一つとなっております。

報告件数がそのまま「医療の質」をあらわすのではなく、報告を多くあげる中で、重大な医療事故の発生を防止することが報告の目的となります。そして、報告された事例から分析を行い、対策等を考え、再発防止に努めております。

2022年度 医療事故報告件数割合

【事故内容分類別件数割合】

事故内容分類ごとの件数の割合を円グラフで表した図

【事故レベル別件数割合】

事故レベル別の件数割合を円グラフで表した図

【当院における事故報告件数の推移】

当院における事故報告件数の推移を折れ線グラフで表した図

【インシデント・アクシデント報告における厚生省共通指標と当院の報告件数位置】

インシデント・アクシデント報告における厚生省共通指標と当院の報告件数位置を棒グラフを用いて表した図

4.医療事故防止への取り組み

医療安全研修会(全職員対象)

本院、MRI吸着事故報告を受けて
  • 開催方法:YouTube視聴
  • 参加率:93.2%
繰り返されるエラーをどのように考える?
  • 開催方法:Zoom開催、YouTube視聴
  • 参加率:95.1%
医用放射線安全管理研修会~被ばく線量管理~ 2022年度 インシデント・アクシデント報告のまとめ
  • 開催方法:現地開催、YoTube視聴
  • 参加率:95.3%

※YouTube視聴とは、事前に講演収録の後Webサイトへアップデートし、職員へ閲覧後確認テストを実施

委員会および会議等(2022年度)

院内事故調査委員会
  • 開催回数:0回
  • 内容:医療事故に関する臨床経過の把握、原因の究明、再発防止策の提言
医療安全管理委員会
  • 開催回数:12回
  • 内容:医療事故等に関する情報共有や医療安全に関する組織の中で最終決定機関として、審議・決定を行う委員会
医療安全管理室カンファレンス
  • 開催回数:48回
  • 内容:毎週水曜に、インシデント・アクシデント事例の内容の情報共有や再発防止策の検討等を行う会議
リスクマネジメント委員会
  • 開催回数:12回
  • 内容:各月に発生した事例に対し、全例報告・改善策を報告・審議し、事例に応じて、医療安全管理委員会へ上申を行う
院内事故防止ラウンド
  • 開催回数:24回
  • 内容:月2回、医療安全管理室メンバーで各部署を回り、事故に繋がるものがないか、医療安全で掲げた目標を実施出来ているか評価を行う
事故に対するRCA解析
  • 開催回数:2例
  • 内容:事故発生時の原因をRCA解析することで、根本的な原因をつきとめ、業務改善や環境改善の提案を上位委員会へ提案を行う

医療安全強化月間

1~2か月毎に、医療安全に対する周知ポスターの作製および各部署・職員エレベータ内への配布を行い評価を行う。

医療安全強化月間に行った取り組み
ナンバー 掲載期間 内容
1 2022年5月1日~31日 指差し呼称
2 2022年6月1日~7月31日 酸素の取扱い
3 2022年8月1日~31日 院内時刻の調整(時計・医療機器など)
4 2022年9月1日~30日 「つもり」にならないために
5 2022年10月1日~11月30日 インシデント・アクシデント報告について
6 2022年12月1日~1月31日 薬の用法・用量・対象の確認
7 2023年2月1日~3月31日 ダブルチェックの方法

 

令和4年度の医療事故等の一括公表

令和4年度の医療事故等を表にしてまとめた図