血液・輸血検査

更新日:2023年02月15日

血液検査

血液検査には血球算定、血液像、血液凝固・線溶検査、骨髄検査などがあります。

血球算定(血算)

 血液は赤血球・白血球・血小板などの細胞と血漿(液体成分)からなっています。これらは半導体レーザーを使用したフローサイトメトリー法による多項目自動血球分析装置を用いて解析し、赤血球数・白血球数・血小板数・ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値などを測定しています。

右側のラックにパソコン、左側に血球分析装置が設置された血球算定の機器の写真

血液像

 血液中の白血球・赤血球・血小板などの細胞形態を顕微鏡で観察することを血液像検査といいます。成熟白血球は、好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球などに分類され、その比率を調べます。これらの血球に量的・質的異常が生じると、貧血・免疫機能低下・出血傾向などの症状が認められます。まれに未熟な細胞や白血病細胞も出現します。血液像検査も血球算定用自動分析器による自動分類が普及し、顕微鏡観察と併用しています。

血液細胞を顕微鏡で見た血液像の画像の写真

血液凝固線溶検査

 止血機能は主として血管・血小板・血漿成分(凝固・線溶因子)などの共同作業で行われます。一方、血栓形成や血液凝固が過剰に進行すると、凝固・線溶系が調節されて、止血と循環が保たれています。これらの系のどこかに欠陥があると止血異常が生じます。この働きを検査します。血栓症(たとえば心筋梗塞・不整脈)の治療に使う抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)を服用されている患者さまでは、薬の効果をみるために必要な検査です。

右側にパソコンのディスプレイが設置され、左側に緑色と赤色のボタンがついている横幅約2メートルくらいの血液凝固線溶検査の機器の写真

骨髄検査

 腸骨や胸骨に針を刺し吸引した液(骨髄液)の細胞を算定したり、塗抹標本にして顕微鏡で細胞を観察し、骨髄での造血状態を調べます。

輸血検査

輸血検査では、血液製剤の管理と交差適合試験を臨床検査室で実施しています。

ジッパー付きの透明袋の中に入ったAB型とO型の輸血の写真

 血液製剤管理では照射赤血球濃厚液(Ir-RBC-LR)・新鮮凍結血漿(FFP-LR)・照射濃厚血小板(Ir-PC-LR)・自己血等の血液製剤を管理しています。当検査室ではABO血液型や、Rh血液型の判定や同定を実施しています。交差適合試験は輸血が必要な患者さまの血液と、輸血用血液製剤が適合するかどうかを検査します。 交差適合試験ではマイクロタイピングシステムを導入し、抗体スクリーニングや不規則抗体の同定を行い、より安全な輸血検査を目指しています。

輸血療法委員会

 輸血検査の担当は、輸血療法委員会の事務局としての業務も行っています。下記のような内容について定期的に検討しています。また、議事録を作成・保管し、院内に周知しています。

  •  輸血実施時の手続き
  •  輸血療法の適応
  •  血液の使用状況調査
  •  輸血関連情報の伝達方法
  •  院内採血の基準
  •  自己血輸血の実施方法
  •  血液製剤(血漿分画製剤を含む)の選択
  •  症例検討を含む適正使用推進の方法
  •  輸血用血液の検査項目・検査術式の選択と精度管理
  •  輸血療法に伴う事故・副作用
  •  合併症の把握方法と対策

この記事に関するお問い合わせ先

市立病院経営管理部 医事課 医事係
電話番号 0165-23-2166(代表)

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