LGBTQってなんだろう?

人間の性に対する考え方は多様です。「男性」や「女性」といった枠にとらわれない、さまざまな性のあり方が存在し、10 人に1人が該当するという調査報告もあります。
しかし、LGBTQをはじめ性的マイノリティ(性的少数者)であるために偏見や差別を受けてしまう人たちもいます。
だれもが自分らしく生きられる社会をめざすため、性の多様性や当事者が抱える問題などへの理解を深めてみませんか。
4つの性の要素
性のあり方は多様です。からだの性(生物学的性)だけではなくこころの性(性自認)や好きになる性、表現する性などさまざまな要素があります。
個性や違いを受け入れ認め合うために、これらの要素を知っておくことが大切です。

からだの性(生物学的性)
生物学的な特徴から判断し、出生届により戸籍などに記載された性別のこと。
こころの性(性自認)
からだの性にかかわらず、自分で認める心の性のこと。
好きになる性(性的指向)
恋愛感情や性的な関心が向かう性のこと。
ふるまう性(性表現)
服装や言葉遣い、立ち振る舞いなど、社会の中で表現する性のこと。
性のあり方は「グラデーション」で考えよう
性は、グラデーションのように境目がなく、個人によって異なるといわれています。
明確に区別できない人や、複数の性の間で揺れ動いている人、固定したくない人もいます。はっきり区切られるものではないということを、理解しましょう。
「LGBTQ」とは?

最近よく聞く「LGBTQ」という言葉は、性的指向や性自認の違いで分けられるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニングの頭文字をとった性的少数者を表す総称の1 つです。
LGBTQをくわしく知ろう
L(Lesbian)レズビアン
女性の同性愛者
G(Gay)ゲイ
男性の同性愛者
B(Bysexual)バイセクシャル
異性と同性どちらも好きになる場合がある人
T(Transgender)トランスジェンダー
こころの性とからだの性が一致しない人
Q(Questioning)クエスチョ二ング
こころの性や好きになる性が決められない、分からない、意図的に決めていない人
このほかにも、4つの性の要素の組み合わせ・グラデーションでさまざまな性別があり、それらを含めた多様性を表す言葉として「LGBTQ+」という表現もあります。
トランスジェンダーと性同一性障害の違い
トランスジェンダーと性同一性障害は、どちらもこころの性とからだの性が一致しない人を指していますが、性同一性障害は、性別変更手術を希望する人に対し、医療機関が診断名として使う用語です。
トランスジェンダー=性同一性障害ではありません。
気づいていないだけ?打ち明けらえない現状

性の多様性に関するさまざまな調査によると、「自分の周りに性的マイノリティはいるか」との設問に対し、約8割が「いない」と回答しています。
一方で、10 人に1人がLGBTQだという調査結果もあります。この結果によると、周りにいて当たり前の割合ですが、なぜあまり認知されていないのでしょうか。
これは、いじめや差別などが起こりうる環境のため、打ち明けられない状態であるからと考えられます。
LGBTQの人たちを取り巻く問題
「こんなとき、つらい」LGBTQの困りごと
- パートナーが入院しても、病状を教えてもらえず、面会もできない
- 昇進が見送られたが、その理由がどうもLGBTQのようだ…
- 親が結婚を勧めてくるが、同性が好きと言えない
- だれにも相談できず、いつも不安を抱えている
- 恋愛の話に参加できない、バレるのが怖い
- 男子の制服を着るのがつらい、男子更衣室に入りたくない
- ほかの子と「何か違う」ことが怖い
- 「男らしくない」「女らしくない」とからかわれる
「こんなとき、どうしたら・・・」心を守る対応を
友人からLGBTQであることを告白された

自分がLGBTQであることを、自分の意思で他人に伝えることを「カミングアウト」といいます。
カミングアウトにはとても大きな勇気が必要で、心にも大きな負担がかかりますが、それ以上に「自分のことを理解してもらいたい」という思いがあります。
- 話を最後まで聞いて、相手の気持ちを知り、支える人になりましょう。
- 後述するアウティングを避けるため、カミングアウトしている範囲を確認しましょう。
勝手にほかの人に話すのはやめよう

本人の許可なく、その人がLGBTQであることを他の人に暴露することを「アウティング」といいます。
アウティングは、打ち明けてくれた相手の信頼を裏切る行為で、本人を深く傷つけます。場合によっては、その人の命を奪ってしまうこともあります。
「みんなには伝えておいたほうがいいかも…」
「ほかの人も知っていると思った…」
「一人くらいなら、話しても大丈夫だと…」
アウティングする理由はさまざまで、なかには善意から起きてしまうこともあります。
しかし、理由はどうあれ、アウティングはその人の人権を侵害する行為です。絶対にやめましょう。
実際に起きたアウティングの事例
職場の上司がアウティング

本人は、一部の人にのみカミングアウトするつもりだったが、上司がアウティング。その後、職場内の人間関係が悪化して人間不信に。精神疾患を患い、休職せざるを得なくなった。
SNSでアウティングされた学生が死亡


同性に告白された学生がSNSでアウティング。アウティングされた学生はパニック障害を発症し、それが原因で学校の屋上から転落死した。
裁判にもなりました。アウティングは、人権侵害や名誉毀損、侮辱罪になる場合があります。
わたしたちにできること
LGBTQの人たちは、日頃からこのような問題やリスク、生きづらさを抱えています。しかし、だれもがありのままで生活できる社会を作るため、個人でもできることがあります。
- 身近にLGBTQの人がいると考える
- LGBTQを差別するようなことを言わない
- 見た目で、その人の性のあり方を決めつけない
- LGBTQ について調べてみる
多様な個性を認め合う社会へ

社会にはいろいろな人が生きていて、人の数だけ個性があります。
現在は、LGBTQや性的マイノリティなどの言葉が少しづつ知られるようになり、いままでより多様性が認められるようになりました。
しかし、悩みを抱える当事者も多くいます。
私たち自身が当事者意識を持ち、LGBTQについて学んで行動することで、今以上に多様性が認められた社会が実現するかもしれません。
多様な個性を「当たり前のこと」としてお互いに受け入れ、尊重し合う、そんな自分らしく生きられる社会をつくってみませんか。
広報紙でも掲載しています

本ページの内容は、広報しべつ令和6年8月号にも掲載しています。
市内各所で配付している紙面のほか、本ホームページでも閲覧できます。
より詳細な内容となっていますので、興味のある方は、下記ページからご覧ください。
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更新日:2025年07月07日