“介護”への理解を深めるために

本市の高齢化率は42.1パーセント(令和5年3月時点)となっており、令和7年には、65歳以上の高齢者数がピークを迎えるといわれています。
高齢化社会の進行とともに、需要が高まるのが「介護」です。家族や友人と、住み慣れた土地で暮らし続けるには、より「介護」を理解し、備えることが重要です。
今回は、市の現状や展望を紹介します。
市の高齢者数
本市の人口を年齢別にみると、令和5年3月末時点では総人口が1万7,133人、そのうち65歳以上は7,205人、75歳以上が4,233人となっています。
平成26年から比較すると、高齢者の下図は大きく変動していないものの、人口の減少により高齢化率が上昇していることが分かります。
また、市の第8期高齢者保健福祉計画・介護保健事業計画では、要介護・要支援者の認定者数が、今年度末で約1,500人(認定率20.3パーセント)になると見込んでいます。
アンケートから見る市の現状
第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定にあたり、アンケート調査を実施しました。
要介護認定を受けていない65歳以上を対象としたアンケートでは、介護予防教室や老人クラブなどの介護予防につながる活動に、約1割の方しか参加していない状況でした。
また、自宅で生活している要支援・要介護認定を受けている方、およびその家族を対象にしたアンケートでは、介護を週何回しているかの設問に対し、半数以上が「ほぼ毎日」という結果になっています。
さらに、介護をする人の年齢について、もっとも多いのが60歳代となっており、高齢の方が介護をしている状況です。
介護サービスの種類
介護サービスには大きく分けて3つの種類があります。
各種サービスでは、合計で年間約1,000人の利用があり、その半数以上を居宅サービスが占めています。
居宅サービス
自宅で生活する人を対象としたサービスです。

訪問介護
介護員が訪問し、身の回りのお世話をします。
訪問リハビリテーション
理学療法士などが訪問し、機能訓練を行います。
短期入所療養介護
施設に短期入所している方をサポートします。
地域密着型サービス
市が指定する事業者が地域住民に提供するサービスです。

地域密着型通所看護
規模の小さいデイサービスです。
小規模多機能住居介護
利用者の要望に応じて宿泊などにも対応します。
認知症対応型共同生活介護
認知症にも対応した共同生活住居です。
施設サービス
市内にある各施設を利用するサービスです。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
療養上の支援を行う施設です。
介護老人保健施設
在宅生活への復帰を目的とした施設です。
介護療養型医療施設・介護医療院
長期療養医療と介護を一体的に提供します。
医療従事者の確保に向けて
高齢者の増加にともなう介護サービス利用増に対応するため、全国的に介護従事者の確保が急務となっています。
本市でも、実習生の受け入れ補助や研修費用の助成、高校生を対象とした介護体験授業の実施など、さまざまな形で取り組みをすすめています。
また、介護従事者の確保には、市民がより深く「介護の仕事」について理解してもらうことが重要であると考えています。今年度新たに市民向けの介護に関する基礎講座を予定しています。
本市のおもな介護従事者確保対策
介護実習生等受入支援事業
実習生などの受け入れを行う事業者に対し、受け入れ費用の2分の1を補助します。
2022年度は、6件の支援を行いました。
介護従事者研修費補助事業
事業者が実施する、介護従事者の資質向上や従業員教育にかかる研修費用の2分の1以内の額を補助します。
2022年度は、4件の補助を行いました。
高校生介護職場体験事業
介護職場のすそ野拡大に向け、市内高校生を対象に介護職場体験を行います。
2022年度は、15人の高校生に体験していただきました。
介護従事者新規就労定着支援事業
介護福祉士実務者研修などの受講費用の一部を貸付します。研修後、3年間市内で勤務すると、返還が免除されます。
2022年度は、8人の方に支援を行いました。
これからの介護
介護従事者のニーズは、今後も高まるとみられています。そのなかで「安心して生活できるまち」「健やかに暮らせるまち」「生きがいをもち、支えあえるまち」を実現するには、市民が介護への理解を深めることが必要です。
介護の職場環境の充実は、現場の余裕を生み、利用者にいっそう寄り添った介護を実現できます。市民一人ひとりの理解もまた、住みよいまちの実現につながるでしょう。
皆さんも、年を重ねればいつかはたどる道です。
介護に関心を持ち、「自分にできること」を考えてみませんか?

「介護に関心がある方のための基礎講座」を開催しました

介護人材のすそ野を広げ、福祉、介護サービス事業や地域活動を支える人材を育成することを目的として、日常に役立つ介護の知識、介護職に必要な基本的知識などを学んでいただくため、講座を開催しました。
本講座には、13名の参加者がありました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
広報紙にも掲載しています

本ページの内容は、広報しべつ2023年6月号にも掲載しています。
実際に士別市内で介護職員として働いている方の声など、より詳しく掲載しています。
下記ページから閲覧できますので、ぜひご覧ください。
この記事に関するお問い合わせ先
健康福祉部 高齢者福祉課 高齢者係
電話番号 0165-26-7749
更新日:2023年10月04日