手話について考えよう(手話の特集ページ)

更新日:2025年09月09日

青空と草原

市は、手話を必要とする人が暮らしやすいまちをめざすため、「みんなでささえる手話言語条例」を令和7年4月から施行しています。
本ページでは、手話に関する様々な取り組みや手話言語条例の概要などを紹介します。

毎年9月23日は「手話言語の国際デー」・「手話の日」です

毎年9月23日は、国連が定めた「手話言語の国際デー(International Day of Sign Languages)」であり、日本では「手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)」に基づいた「手話の日」です。
この日は、手話を必要とする人が安心して暮らせる社会の実現に向けて、国民の間に手話への理解と関心を深めることを目的として、手話の普及と手話文化の継承を推進する日です。手話が音声言語と同等の言語であることを認識し、ろう者の人権の保障と手話文化の尊重を促進するために、国内外でさまざまな啓発活動が行われます。

手話言語の国際デー

手話言語の国際デーは、平成29年12月19日に国連総会で決議されました。決議文では、手話言語が音声言語と対等であることを認め、国連加盟国が社会全体で手話言語についての意識を高めるとの趣旨が込められています。
世界ろう連盟(WFD)が中心となり、毎年テーマを定めて啓発活動を展開しています。
今年のテーマは「手話言語権は人権だ!(英語原文:No Human Rights Without Sign Language Rights)」です。

デフリンピックの開催

11月15日(土曜日)から11月26日(水曜日)までの12日間は、日本で初めてデフリンピックが開催されます。

デフリンピックとは、聴覚に障害のあるアスリートを対象とした国際スポーツ大会です。
オリンピックと同様に、4年に1度、夏季と冬季に開催されます。また、今大会は、第1回開催から100周年の記念大会となっています。詳しくは大会ポータルサイトをご覧ください。

市民手話講習会

今年度は、10月8日から10月24日までの毎週水曜日と金曜日、計6日間の日程で開催されます。

詳しくは下記のページでご確認ください。申込締め切りは9月30日(火曜日)までです。

動画で学ぼう

市民の皆さんが手話をより身近なものとして親しんでもらえるよう、手話を動画で紹介しています。(​​​​​​広報しべつ平成29年11月1日号から掲載されていた「みんなで学ぼう手話コーナー」の再掲載です)​​​​

みんなでささえる手話言語条例

みんんで支える手話言語条例を制定した記念撮影をしている様子

条例制定の背景とまちの現状

手話は、手や指の動き、表情を使って「言葉」を視覚的に表現するもので、日本語や英語と同じ、ひとつの言語として位置づけられています。しかし、手話言語が一般的に普及しているとはいえず、本市でも手話への理解と普及が課題です。
このような状況を改善するため、条例を制定しました。
手話条例は、全国562自治体、道内では本市を含め31 自治体で制定されています。(令和7年3月21日現在)

条例制定の時手話による同時通訳付きで行われている様子

           

条例では、手話が言語であることを理解し、手話を必要とする人が安心して生活できる環境を整え、一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく共生社会の実現にむけて取り組むことを明記しています。
制定にあたり、聴覚障がい者と手話サークル、要約筆記サークルと協議し策定しました。条例の名称や前文は、聴覚障がい者とサークルの方々が考えました。

条例前文からみる「手話」の構造

条例の前文は、その条例がめざす理念や背景、制定の目的を伝える部分です。本市の手話言語条例では、手話が言語であることを表すため「手話表現」も記載しています。
手話表現を記載している条例は、国内でも少なく「だれもが理解できる条例」として構成しています。
前文とその手話表現の紹介とともに、言語構成を紹介します。

みんなでささえる手話言語条例・前文

手話は、手や指の動き、表情を使い視覚的に表現するものであり、音声言語である日本語と同様に一つの言語です。そして、ろう者など手話を必要とする人(以下「手話を必要とする人」という。)が自分らしく生きていくうえで、かけがえのないものです。

私たちは、手話が言語であることを理解し、手話を必要とする人が安心して生活できる環境を整えることで、一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく共生社会の実現にむけて取り組むことを決意し、この条例を定めます。

「手話」の基本構造

手話は、ろう者のコミュニティで生まれた「目で見る言語(視覚言語)」です。手や指・体の動きなどを使い、思いや情報を伝えます。
話し言葉と同じように、文の構造があり、単語の組み合わせで意味をつくります。こうした手話の内容を文字で表したものが「手話表現」です。
ただし、手話では細かい意味合いや抽象的な言葉を伝えることが難しい場合があります。そのため、わかりやすく伝わるように、言葉を置き換えて表現することがあります。

たとえば、条例の前文にある「かけがえのないもの」という言葉は、手話表現では「大切なもの」や「重要なもの」と表現しています。

手話表現と手話 手話/必要/人々/自分/合う/生活/~のため/手話/重要(大切)

手話と言う言葉を手話で表現している。人差し指の指先を向かい合わせて円を描いている様子。

手話

必要の言葉を手話で表している様子。両手を前から自分の方に近づける。

必要

人々を手話で表している.両手の親指と小指を立てて、手の甲を相手側に向けて両側に引く

人々

自分を手話で表している。人差し指で自分のことを指している

自分

合うを手話で表している。人差し指の腹と腹を合わせている。

合う

生活を手話で表している。両手の人差し指と親指を出し手の甲を自分の方に向けて両手一緒に円を描くように一周する。

生活

~のためを手話で表している。左手全体で丸を作り、右手の人差し指の腹を左手の丸の縁に置く

~のため

大切を手話で表している。左手の指先の腹を右の頬の下に当てる

大切

士別手話サークル会長・江成さんに聞く手話のこれから

手話をする江成会長。右手の人差し指先を上から前に動かす様子。明日を意味する。

手話言語条例の制定にあたり、聴覚に障がいを持つ市民をはじめ、多くの方にご協力いただきました。
手話を使う方々が参加することで、手話の普及などに必要なことを分かりやすく掲載しています。
今回、条例制定に携わった士別手話サークルの会長、江成郁美さんにお話をうかがいました。

条例制定のきっかけ

手話言語条例の制定は、7 年ほど前にも動きがありました。しかし、当時は、他の自治体の事例が少ないこともあり、見送られました。
今回、ろう者、支援者、そして行政の三者が同じ考えをもち、理解と協力がすすんだことから、条例制定へとつながりました。
これまでも、市内には手話を必要とする方々や、それを支える支援者がいました。今でこそ手話への理解がすすみましたが、かつては十分な理解が得られず、当事者や支援者は多くの困難を抱えていたと思います。
「何とかしたい」という思いで続けてきた、サークルなどをとおしたボランティア活動や、ふれあい広場での普及活動などが実を結び、条例の制定に至りました。

市民へのアプローチ

ふれあい広場で、手話による歌を披露するサークル会員
士別手話サークルの活動のようす

多くの市民にとって、手話は日常生活で身近に感じる機会が少なく、少し遠い存在かもしれません。しかし、手話を必要とする人は、確かに私たちのまちにいます。
まずは「手話ってどんなものだろう」と、関心をもってもらうことが大切だと感じています。
そして、手話は言語であることを理解していただければと思います。また、簡単なあいさつや言葉を手話でできるようになれば、ろう者も安心して話せるようになると考えます。
現在、士別手話サークルには20人ほどが在籍し、週1回の例会で手話を学んでいます。ろう者の話す内容を読み取ってみたり、自分の思いを手話で伝える練習のほか、交流会やゲームをとおして、楽しみながら手話を学べます。
また、行政による市民手話講習会などもあります。
今回の条例制定により、多くの方が手話に関心をもつきっかけになることを願っています。

だれもが暮らしやすいまちへ

さまざまな場所に、手話ができる人がいるー。今はまだ、難しいですが、確実に時代は変わりつつあります。
士別が、ろう者にとって暮らしやすく、安心できるまちになるよう、これからも市民の皆さんの理解を広げ、手話通訳者の育成にも力を入れていきたいです。

広報紙でも掲載しています

4月8日 士別小学校入学式 正門の前で数人の児童と保護者が記念撮影している様子。

本ページの内容の一部は、広報しべつ令和7年5月号にも掲載しています。

市内各所で配付している紙面のほか、本ホームページでも閲覧できます。

より詳細な内容となっていますので、興味のある方は、下記ページからご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

健康福祉部 地域福祉課 地域福祉係
電話番号 0165-26-7744

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