だれもが暮らしやすいまちへ

近年、少子化・高齢化により、地域力の低下や社会的孤立などさまざまな問題が広がっています。
本市では、だれもが安心して暮らせるまちの実現に向けて、4月に「第5期地域福祉計画」を施行したほか、手話を必要とする人が暮らしやすいまちをめざすため「みんなでささえる手話言語条例」を制定しました。
今回は、地域福祉計画と手話言語条例の概要や取り組みなどを紹介します。
第5期地域福祉計画
地域福祉計画とは?
本市では、平成15年に「士別市福祉のまちづくり条例」を制定し、すべての人が安心して快適に暮らし、自由に社会参加ができるようなまちづくりを推進しています。
地域福祉計画は、この条例で示すまちづくりを実現するための計画です。そのほかの計画との整合性をとりつつ、変化する社会情勢や市民ニーズ、優先すべき課題などさまざまな状況の変化を考慮し、5カ年の計画として策定しています。
本計画は、「福祉・介護・食育・子育て・障がい」などに関する福祉関連計画の最上位計画です。
計画は、社会福祉協議会などの関係機関と連携し、優先すべき地域の課題や必要な支援などを常に見直し、計画内容の更新や取り組みの追加などを行っています。
福祉に関するまちの現状
本市の人口は、平成27(2015)年には2万人を下回り、現在は約1万6,000 人となっています。
また、出生率の減少と同時に、人口に対する65歳以上の高齢者割合(高齢化率)が上昇し続けています。
計画策定時に実施した市民アンケートでは、福祉に関する関心度は高い結果が出ています。また、約7割の市民が「このまちに住み続けたい」と回答しています。
第5期計画の考え方と取り組み
第5期計画では、基本理念である「みんなが自分らしく安心して暮らせるやさしいまちをつくります」を第4期計画から継承しつつ、新たな取り組みの追加や継続事業を発展・拡大しています。
計画の推進にあたり、考え方や取り組みを以下のように定めています。
社会福祉を目的とする事業の発展に関すること
- 社会福祉法人の、地域における公益的な取り組みの推進
地域福祉活動への住民参加の促進に関すること

- 地域住民、ボランティア団体、NPOなどの社会福祉活動への支援
- 地域福祉を推進する人材の養成
福祉サービスの適切な 利用の推進に関すること

- 相談支援体制の整備
- 利用者の権利擁護
- 避難行動要支援者の把握、および日常的な見守り・支援の推進
高齢者、障がい者、児童などに 共通して取り組むべきこと
- 福祉以外のさまざまな分野との連携
- 複合的な事例に対応できる体制
- 自殺対策
- 虐待への全庁横断的な対応や支援
- 犯罪をした人への社会復帰支援
新たな取り組みと重点的事業

第5期計画は、近年大きな社会問題になっている、ヤングケアラーなどの課題対策を新たに追加しています。ま
た、市内の優先課題として、人材育成や人材確保などを継続します。
みんなでささえる手話言語条例

条例制定の背景とまちの現状
手話は、手や指の動き、表情を使って「言葉」を視覚的に表現するもので、日本語や英語と同じ、ひとつの言語として位置づけられています。しかし、手話言語が一般的に普及しているとはいえず、本市でも手話への理解と普及が課題です。
このような状況を改善するため、条例を制定しました。
手話条例は、全国562自治体、道内では本市を含め31 自治体で制定されています。(3月21 日)
条例では、手話が言語であることを理解し、手話を必要とする人が安心して生活できる環境を整え、一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく共生社会の実現にむけて取り組むことを明記しています。
制定にあたり、聴覚障がい者と手話サークル、要約筆記サークルと協議し策定しました。条例の名称や前文は、聴覚障がい者とサークルの方々が考えました。
条例前文からみる「手話」の構造
条例の前文は、その条例がめざす理念や背景、制定の目的を伝える部分です。本市の手話言語条例では、手話が言語であることを表すため「手話表現」も記載しています。
手話表現を記載している条例は、国内でも少なく「だれもが理解できる条例」として構成しています。
前文とその手話表現の紹介とともに、言語構成を紹介します。
みんなでささえる手話言語条例・前文
手話は、手や指の動き、表情を使い視覚的に表現するものであり、音声言語である日本語と同様に一つの言語です。そして、ろう者など手話を必要とする人(以下「手話を必要とする人」という。)が自分らしく生きていくうえで、かけがえのないものです。
私たちは、手話が言語であることを理解し、手話を必要とする人が安心して生活できる環境を整えることで、一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく共生社会の実現にむけて取り組むことを決意し、この条例を定めます。
「手話」の基本構造
手話は、ろう者のコミュニティで生まれた「目で見る言語(視覚言語)」です。手や指・体の動きなどを使い、思いや情報を伝えます。
話し言葉と同じように、文の構造があり、単語の組み合わせで意味をつくります。こうした手話の内容を文字で表したものが「手話表現」です。
ただし、手話では細かい意味合いや抽象的な言葉を伝えることが難しい場合があります。そのため、わかりやすく伝わるように、言葉を置き換えて表現することがあります。
たとえば、条例の前文にある「かけがえのないもの」という言葉は、手話表現では「大切なもの」や「重要なもの」と表現しています。
手話表現と手話 手話/必要/人々/自分/合う/生活/~のため/手話/重要(大切)
手話
必要
人々
自分
合う
生活
~のため
大切
士別手話サークル会長・江成さんに聞く手話のこれから

手話言語条例の制定にあたり、聴覚に障がいを持つ市民をはじめ、多くの方にご協力いただきました。
手話を使う方々が参加することで、手話の普及などに必要なことを分かりやすく掲載しています。
今回、条例制定に携わった士別手話サークルの会長、江成郁美さんにお話をうかがいました。
条例制定のきっかけ
手話言語条例の制定は、7 年ほど前にも動きがありました。しかし、当時は、他の自治体の事例が少ないこともあり、見送られました。
今回、ろう者、支援者、そして行政の三者が同じ考えをもち、理解と協力がすすんだことから、条例制定へとつながりました。
これまでも、市内には手話を必要とする方々や、それを支える支援者がいました。今でこそ手話への理解がすすみましたが、かつては十分な理解が得られず、当事者や支援者は多くの困難を抱えていたと思います。
「何とかしたい」という思いで続けてきた、サークルなどをとおしたボランティア活動や、ふれあい広場での普及活動などが実を結び、条例の制定に至りました。
市民へのアプローチ


多くの市民にとって、手話は日常生活で身近に感じる機会が少なく、少し遠い存在かもしれません。しかし、手話を必要とする人は、確かに私たちのまちにいます。
まずは「手話ってどんなものだろう」と、関心をもってもらうことが大切だと感じています。
そして、手話は言語であることを理解していただければと思います。また、簡単なあいさつや言葉を手話でできるようになれば、ろう者も安心して話せるようになると考えます。
現在、士別手話サークルには20人ほどが在籍し、週1回の例会で手話を学んでいます。ろう者の話す内容を読み取ってみたり、自分の思いを手話で伝える練習のほか、交流会やゲームをとおして、楽しみながら手話を学べます。
また、行政による市民手話講習会などもあります。
今回の条例制定により、多くの方が手話に関心をもつきっかけになることを願っています。
だれもが暮らしやすいまちへ
さまざまな場所に、手話ができる人がいるー。今はまだ、難しいですが、確実に時代は変わりつつあります。
士別が、ろう者にとって暮らしやすく、安心できるまちになるよう、これからも市民の皆さんの理解を広げ、手話通訳者の育成にも力を入れていきたいです。
広報紙でも掲載しています

本ページの内容は、広報しべつ令和7年5月号にも掲載しています。
市内各所で配付している紙面のほか、本ホームページでも閲覧できます。
より詳細な内容となっていますので、興味のある方は、下記ページからご覧ください。
この記事に関するお問い合わせ先
健康福祉部 地域福祉課 地域福祉係
電話番号 0165-26-7744
- このページに対するみなさまのご意見をお聞かせください。
-




更新日:2026年05月25日