○士別市健康長寿推進条例
平成31年2月20日
条例第8号
近年、社会環境の改善や医療技術の進歩により平均寿命が延びるなか、生涯にわたり明るく元気に生きがいを持って生活していくためには、何よりも健康であることが重要です。
急速な高齢化や生活習慣の変化により、全国的にがん・心疾患・糖尿病などの生活習慣病になる人や介護を必要とする人が増加するなか、士別市では「健康・スポーツ都市宣言」のもと、スポーツを通じた健康づくりのため「市民皆スポーツ」を推進しているほか、「士別市健康長寿推進計画」を策定し、住み慣れた地域でいつまでも健康で充実した生活ができるよう、健康寿命の延伸をめざした取り組みを進めています。
健康寿命の延伸には、市民一人ひとりが、自身の健康状態を正しく理解し、主体的に健康づくりに取り組むとともに、市・市民・事業者・教育機関・関係団体がそれぞれの責務や役割を担いつつ健康づくりの活動を推進していくことが必要です。
そこで、すべての市民が健康で心豊かに暮らせる地域社会の実現をめざし、市全体で健康長寿の取り組みを推進していくため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、健康づくりに関する基本理念を定め、市の責務と市民・事業者・教育機関・関係団体の役割を明らかにするとともに、健康づくりの推進についての基本的な事項を定めることで、市民の健康の保持増進と健康寿命の延伸を図ることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例における用語を次のとおり定義します。
(1) 市民 住民(士別市内に住所を有する人をいいます。)をはじめ、市内で働く人、市内で学ぶ人、市内で様々な社会的活動を行う人をいいます。
(2) 教育機関 保育所・幼稚園・小学校・中学校・高等学校その他これらに類する学校や児童福祉施設をいいます。
(3) 関係団体 市内で保健・医療・福祉などの健康づくりに携わる団体や自治会などの地域を基盤に形成された団体をいいます。
(4) 協働団体 市・事業者・教育機関・関係団体をいいます。
(基本理念)
第3条 士別市の健康づくりは、次の基本理念に基づいて進めます。
(1) 私たちは、健康づくりは自らの問題であることを自覚し、自身の健康状態を正しく理解するとともに、主体的かつ継続的に健康づくりに取り組みます。
(2) 私たちは、それぞれの責務や役割を認識し、地域全体で健康づくりに取り組みます。
(市の責務)
第4条 市は、健康づくりの推進に関する総合的な施策を策定し、これを実施します。
2 市は、前項に規定する健康づくりの推進に関する施策を策定する際は、市民や他の協働団体から意見を聴取するとともに、施策に反映させるよう努めます。
3 市は、第1項に規定する健康づくりの推進に関する施策を実施する際は、市民や他の協働団体とともに取り組みを進めます。
(市民の役割)
第5条 市民は、健康づくりへの関心や理解を深めるとともに、健康診断や各種検診を積極的に受診することで自身の健康状態を把握し、状況に応じた健康づくりを行うよう努めます。
2 市民は、協働団体が実施する健康づくりの推進に関する活動に、積極的に参加するよう努めます。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、従業員の健康に配慮し、従業員が積極的に健康づくりに取り組むことができる職場環境の整備に努めます。
2 事業者は、他の協働団体が実施する健康づくりの推進に関する活動に積極的に協力するよう努めます。
(教育機関の役割)
第7条 教育機関は、他の協働団体から健康づくりの推進のために保有する設備や管理する施設の提供を求められた場合は、業務に支障のない範囲で積極的に協力するよう努めます。
2 教育機関は、幼児・児童・生徒・学生(以下「子どもたち」といいます。)に対し健康教育及び健康管理を行い、子どもたちの健康づくりの推進に努めます。
3 教育機関は、他の協働団体が実施する健康づくりの推進に関する活動に積極的に協力するよう努めます。
(関係団体の役割)
第8条 関係団体は、その活動を行うにあたって、団体に加入する人たちが交流・親交によって「人とのつながり」を実感することで健康づくりの推進が図られるよう努めます。
2 関係団体は、他の協働団体が実施する健康づくりの推進に関する活動に積極的に協力するよう努めます。
(健康長寿推進計画)
第9条 市長は、健康増進法(平成14年法律第103号)第8条第2項の規定により、健康の増進の推進に関する施策についての計画(以下「士別市健康長寿推進計画」といいます。)を策定します。
2 市長は、士別市健康長寿推進計画の策定にあたっては、あらかじめ市民や協働団体から意見を聴取し反映するよう努めます。
3 市長は、士別市健康長寿推進計画を策定したときは、速やかにこれを公表します。
4 前2項の規定は、士別市健康長寿推進計画を変更する場合にも適用します。
(健康づくりの推進に関する施策)
第10条 市は、健康づくりの推進を図るため、次に掲げる施策に取り組みます。
(1) がん予防に関すること。
(2) 保健指導・健康診査・疾病対策等に関すること。
(3) 運動習慣の確立・改善に関すること。
(4) 食習慣の確立・改善に関すること。
(5) 受動喫煙の防止に関すること。
(6) 心の健康づくりと自殺予防対策に関すること。
(7) 人と人とのつながりづくりに関すること。
(8) 感染症対策に関すること。
(9) 歯と口腔の健康づくりに関すること。
(10) 前各号に掲げるもののほか、心身の健康づくりに関すること。
(がん予防の推進)
第11条 市は、特に大きな死亡要因であるがんの予防を推進するため、他の協働団体とともに、次の取り組みを進めます。
(1) 食生活・運動・喫煙・飲酒その他の生活習慣の改善による、がんにり患するリスクの低減に関すること。
(2) がんに関する正しい知識の普及啓発とがん予防につながる学習活動に関すること。
(3) がんの早期発見につながるがん検診の受診率と質の向上に関すること。
2 市は、前項に規定するもののほか、がん予防のために必要な施策を実施します。
(委任)
第12条 この条例に定めるもののほか、健康づくりの推進に関し必要な事項は、市長が別に定めます。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成31年4月1日から施行します。
(経過措置)
2 この条例の施行の際に、現に策定されている士別市健康長寿推進計画は、第9条の規定に基づき策定されたものとみなします。