○士別市議会基本条例

平成24年1月27日

条例第3号

選挙で選ばれた議員で構成される議会は、市民の意思を市政に反映し、地方自治法に定める住民福祉の増進を実現する責務を負っています。

また、地方分権の進展に伴い地方自治体での自己決定や自己責任がより一層拡大されるため、議会は二元代表制の特性を生かし、これまでの市長等の執行機関への監視や評価に加え、政策形成や立案能力の向上を図り、自治を担う意思決定機関として、その役割はますます重要になります。

議会は、広く市民の声を受け止め、説明責任を果たすことにより市民の信頼を高め、議員においても、不断の研さんを重ね、市民の負託にこたえなければなりません。このため士別市議会では、議会活動への市民参加の推進、議員間の自由かったつな議論の尊重、徹底した情報公開などにより、わかりやすく開かれた議会運営を目指すとともに、議員の資質向上に努めます。

ここに士別市議会は、議会における最高規範として、議会や議員の活動原則、議会と市民及び市長等との関係について基本的事項を定め、地方自治の本旨に基づく市民との誓約として、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、議会に関する基本事項を定め、議会及び議員の役割・責務、活動原則等を明らかにすることにより、市民の負託にこたえる議会を実現し、もって市民福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的とする。

(最高規範)

第2条 この条例は、議会の最高規範であり、議会に関する他の条例、規則等を制定し、又は改廃するに当たっては、この条例との整合を図らなければならない。

(定義)

第3条 この条例において次に掲げる用語の定義は、次のとおりとする。

(1) 市民 住民(士別市内に住所を有する人)をはじめ、市内で働く人、市内で学ぶ人、市内で様々な社会的活動を行う人、これらの団体や企業などの法人をいう。

(2) 議会 選挙により選ばれた議員で構成し、市民の福祉の向上に資するため活動する日本国憲法に定める議事機関としての士別市議会をいう。

(議会の活動原則)

第4条 議会は、次に掲げる原則に基づいて活動する。

(1) 公正性及び透明性等を確保し、市民に開かれた議会を目指すこと。

(2) 市民の多様な意見を的確に把握し、市政に反映させるための運営に努めること。

(3) 市民への説明責任を果たすとともに、議会活動への市民参加を推進すること。

(4) 市民の傍聴の意欲を高める議会運営を行うこと。

(議員の活動原則)

第5条 議員は、次に掲げる原則に基づいて活動する。

(1) 市政の課題全般について、市民の意見を的確に把握するとともに、市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。

(2) 日常の調査及び研修活動を通じて自らの資質の向上に努め、市民の代表者としてふさわしい活動を行うこと。

(3) 議会が言論の場であること及び合議制機関であることを認識し、議員間の自由な討議を尊重するとともに、政策、条例及び意見書等の議案の提出に努めること。

(議員の政治倫理)

第6条 議員は、市民全体の代表者としての倫理性を自覚するとともに、常に良心と責任感を持って政治活動を行い、自己の地位に基づく影響力を不正に行使するなど、市民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

(会派)

第7条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。

2 会派は、政策を中心とした理念に基づき活動する。

(市民参加及び市民との連携)

第8条 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)並びに全員協議会を原則公開する。

2 議会は、市民による請願及び陳情を政策提案と位置付けるとともに、その審議においては、提出者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。

(意見交換会)

第9条 議会は、市民への説明責任を果たすとともに、政策提言に市民の意思を反映させるため、市民との意見交換の場(以下「意見交換会」という。)を設けるものとする。

2 意見交換会は、議会が行う活動に市民が参加できる機会を確保するため、地域に出向くなどの方法により年1回以上開催する。

(情報公開及び広報)

第10条 議会は、インターネット及び広報紙等を活用して、市民が議会と市政についての関心を深められるよう、議会の活動に関する情報を発信する。

2 議会は、本会議及び予算決算常任委員会の会議(付託事件の審査に係る会議に限る。)の会議録を公開する。

3 議会は、委員会及び全員協議会の会議の概要を公開する。

(一問一答による質疑応答等)

第11条 議会の会議における質疑応答は、市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる。

2 議会の会議及び委員会において市長等は、議員の質問、政策提言及び議員提出議案等に関し、議長又は委員長の許可を得て反問することができる。

(委員会)

第12条 議会は、社会経済情勢等により新たに生じる行政課題等に迅速かつ的確に対応するため、委員会の専門性と特性を活かし適切な運営を行うものとする。

2 委員会は、委員及び市民が自由に情報及び意見を交換する懇談会等を行うよう努めなければならない。

(政策等の決定過程の説明)

第13条 議会は、市長が提案する重要な政策について、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。

(1) 政策等を必要とする背景

(2) 他の政策案等との比較検討

(3) 総合計画との整合性

(4) 関係法令及び条例等

(5) 財源措置

(6) 将来にわたる効果及び費用

(予算及び決算における政策説明資料)

第14条 議会は、市長が予算又は決算を議会に提出するに当たっては、政策にかかる分かりやすい説明資料の提出を求めるものとする。

(議決事件の追加)

第15条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定に基づく議会の議決事件は、次のとおりとする。

(1) 総合計画基本構想・基本計画

(2) 地域福祉計画

(3) 都市計画マスタープラン

(4) 定住自立圏形成協定の締結、変更又は廃止

(自由討議)

第16条 議会は、議案等の審議又は審査においては、議員相互の自由な討議により議論を尽くし、合意形成を図るよう努めるものとする。

2 議長及び委員長は、議員相互の自由な討議が積極的に行われるよう議会の会議及び委員会を運営しなければならない。

(議員研修)

第17条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上に向け、議員研修の充実強化を図るものとする。

(議会改革の推進)

第18条 議会は、議会改革を積極的に推進するため、一般選挙を経た任期開始後、全議員で構成する特別委員会を設置する。

(議員定数)

第19条 議員定数は、効率的かつ能率的な議会運営の視点からだけではなく、市民の代表である議会が、市民の意思を市政へ十分に反映させることが可能となるよう定める。

2 議員定数は、市民の意見の聴取及び反映に努めるとともに、人口、面積、財政力及び市の事業課題並びに類似市の議員定数と比較検討して定める。

3 議員定数の条例改正議案は、地方自治法の規定による市民の直接請求があった場合及び市長が提出する場合を除き、改正理由の説明を付して、委員会又は議員が提出するものとする。

4 議員定数は、別に条例で定める。

(議員報酬)

第20条 議員報酬の条例改正議案は、地方自治法の規定による市民の直接請求があった場合及び市長が提出する場合を除き、委員会又は議員が提出するものとする。

2 議員報酬の改正に当たっては、士別市特別職報酬等審議会等の意見を参考に決定する。

3 議員報酬は、別に条例で定める。

(議会事務局)

第21条 議長は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化を図るよう努めなければならない。

2 議長は、議会事務局の体制を整備し、行政から独立した機関としての機能を向上させるよう努めなければならない。

(条例の見直し)

第22条 議会は、第18条に規定する特別委員会において、この条例の目的の達成について常に検証することとする。

2 議会は、特別委員会による検証の結果、この条例の改正が必要な場合は、速やかに適切な措置を講じるものとする。

この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(平成29年3月17日条例第11号)

この条例は、平成29年4月1日から施行する。

(平成30年5月15日条例第21号)

この条例は、平成30年5月15日から施行する。

士別市議会基本条例

平成24年1月27日 条例第3号

(平成30年5月15日施行)