○士別市男女共同参画推進条例

平成23年2月23日

条例第2号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 基本理念(第3条―第8条)

第3章 市、市民、事業者及び教育関係者の責務等(第9条―第14条)

第4章 男女共同参画を推進するための基本的施策(第15条―第22条)

第5章 その他(第23条・第24条)

附則

わが国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、男女平等の実現に向けた様々な取り組みが国際社会における取り組みとも連動して進められてきました。さらに男女共同参画社会基本法が施行され、男女共同参画社会の実現が、今日の日本社会の重要な課題として位置づけられています。

士別市においても、すべての人の人権が尊重され、性別にかかわりなく持てる力を発揮し、喜びと責任をともに分かち合えるまちづくりをめざして、士別市男女共同参画行動計画を策定し、その実施に向けて取り組んでいます。しかしながら、性別によって役割を固定的にとらえる意識や社会の制度慣行などが依然として存在し、男女平等が実現しているとはいえない状況が見られます。

このため、すべての人の人権が尊重され、あらゆる形態の暴力が根絶されるとともに、個性と能力を十分に発揮することができ、共に責任を分かち合う男女共同参画社会の実現をめざし、職場、学校、地域、家庭その他社会のあらゆる分野において、市、市民、事業者、教育関係者などが互いに協力し、一人ひとりが輝き、まちが輝く士別市を築くため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民、事業者及び教育関係者の責務を明らかにし、並びに男女共同参画の推進に関する施策について必要な事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、市民との協働により男女共同参画社会を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思で社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を是正するため、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動に対する相手方の対応によって不利益を与え、又は、性的な言動により相手方の生活環境を害することをいう。

(4) 市民 市内に居住し、通学し、勤務し、又は市内で活動する人をいう。

第2章 基本理念

(男女の人権の尊重)

第3条 男女共同参画の推進は、男女の個人としての尊厳が重んじられること、男女が直接的にも間接的にも性別による差別的な取扱いを受けないこと、性別にとらわれず個人として能力を発揮する機会が確保されること、あらゆる形態の暴力が根絶されること、すべての人の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。

2 男女共同参画の推進にあたっては、性同一性障害を有する人やその他多様な性を有する人の人権についても配慮されなければならない。

(社会における制度又は慣行についての配慮)

第4条 男女共同参画の推進にあたっては、性別による固定的な役割分担等に基づく社会における制度又は慣行が、すべての人の、社会における活動の自由な選択を妨げることのないよう配慮されなければならない。

(政策等の立案及び決定への共同参画)

第5条 男女共同参画の推進は、男女が、社会の対等な構成員として、市の政策又は事業者若しくは各種の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されなければならない。

(家庭生活とその他の活動の両立)

第6条 男女共同参画の推進にあたっては、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援のもとに、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動に責任を持ち、職業生活等の社会における活動を両立させることができるよう配慮されなければならない。

(互いの性の尊重及び生涯にわたる健康への配慮)

第7条 男女共同参画の推進にあたっては、互いの性を尊重するとともに、妊娠、出産などに関して男女が互いに理解を深め、性と生殖に関する健康と権利が尊重されること及び生涯にわたる心身の健康に配慮されなければならない。

(国際社会における取り組みへの配慮)

第8条 男女共同参画の推進が、国際社会における取り組みと密接な関係を有していることを考慮し、男女共同参画の推進は、国際社会における取り組みを踏まえながら行われなければならない。

第3章 市、市民、事業者及び教育関係者の責務等

(市の責務)

第9条 市は、第2章に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、男女共同参画の推進にあたっては、市民、事業者、国及び他の地方公共団体などとの連携を図らなければならない。

(市民の責務)

第10条 市民は、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する理解を深め、家庭、学校、職場、地域その他市民生活のあらゆる分野において、男女共同参画のまちづくりを積極的に推進するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第11条 事業者は、その事業活動を行うにあたっては、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に自ら積極的に取り組むとともに、市が実施する男女共同参画を推進するための施策に協力するよう努めなければならない。

(教育関係者の責務)

第12条 学校教育、社会教育その他あらゆる教育現場に関わる者は、基本理念にのっとり、それぞれの教育の場において男女共同参画の推進に配慮するよう努めなければならない。

(性別による権利侵害の禁止)

第13条 すべての人は、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、性別を理由として、直接的にも間接的にも差別的な取扱いをしてはならない。

2 すべての人は、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。

3 すべての人は、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、異性に対し身体的又は精神的な暴力を行使してはならない。

(情報に関する留意)

第14条 すべての人は、公衆に情報を提供するにあたっては、性別による固定的な役割分担及び前条各項に規定する行為を助長し、又は連想させるような表現その他過度な性的表現を行わないように努めなければならない。

第4章 男女共同参画を推進するための基本的施策

(男女共同参画計画)

第15条 市は、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を策定する。

2 男女共同参画計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために必要な施策の大綱

(2) 男女の人権の尊重に関する事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市は、男女共同参画計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ士別市人づくり・まちづくり推進協議会の意見を聴かなければならない。

4 市は、男女共同参画計画を策定し、又は変更したときは、すみやかにこれを公表しなければならない。

(施策の策定などにあたっての配慮)

第16条 市は、あらゆる施策の策定及び実施にあたっては、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない。

(情報の提供など)

第17条 市は、男女共同参画の推進について、市民などの理解を深めるため、情報の提供、広報活動その他適切な措置を講じなければならない。

(教育及び学習の振興)

第18条 市は、学校教育、社会教育その他の教育の分野において、男女共同参画の推進に関する教育及び学習の振興を図るため、必要な措置を講じるものとする。

(附属機関などにおける男女共同参画の推進)

第19条 市は、附属機関などの委員を任命又は委嘱する場合は、積極的改善措置を講じることにより、男女の参画機会の均衡を図るよう努めるものとする。

(調査研究)

第20条 市は、男女共同参画の推進に関する施策の策定などに必要な調査研究を行うものとする。

(実施状況等の公表)

第21条 市は、毎年、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況等について、公表するものとする。

(相談への対応)

第22条 市は、男女共同参画の推進を阻害することについて、市民等からの相談があった場合は、関係機関との連携のもとに適切な措置を講じるものとする。

第5章 その他

(所掌)

第23条 男女共同参画の推進に関する基本的な事項の調査審議は、士別市人づくり・まちづくり推進協議会が行う。

(委任)

第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に策定されている士別市男女共同参画行動計画は、第15条第1項の規定により策定されたものとみなす。

士別市男女共同参画推進条例

平成23年2月23日 条例第2号

(平成23年2月23日施行)