○士別市文化財保護条例
平成17年9月1日
条例第116号
(目的)
第1条 この条例は、士別市内に所在する文化財のうち、国又は道の指定するものを除き、士別市(以下「市」という。)にとって重要なものの保全及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民文化の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、文化財保護法(昭和25年法律第214号)第2条第1項各号に掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。
(市民及び所有者等の心得)
第3条 文化財の所有者、その他の関係者及び市民は、文化財が貴重な市民の財産であることを自覚し、その保存に努めるとともに文化的活用に協力しなければならない。
(財産権等の尊重及び他の公益との調整)
第4条 教育委員会(以下「委員会」という。)は、この条例の執行に当たって、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(文化財審議委員会)
第5条 委員会の諮問に応じ、文化財の保存及び活用に関する専門的事項を調査及び審議するため、士別市文化財審議委員会(以下「審議委員会」という。)を置く。
2 審議委員会は、10人以内の審議委員(以下「委員」という。)をもって組織する。
3 委員は、学識経験を有する者のうちから委員会が委嘱する。
4 委員の任期は、2年とする。
5 委員会は、特別な事由があると認めたときは、委員の任期中でもこれを解職することができる。
(指定等)
第6条 委員会は、市内に所在する文化財のうち国又は道が指定したものを除き、市にとって特に文化的価値が高いと認めるものを市の文化財に指定することができる。
2 委員会は、前項の規定により無形文化財の指定をするときは、当該無形文化財の保持者を認定しなければならない。
3 委員会は、第1項の規定により指定するときは、あらかじめ指定しようとする文化財の所有者及び権原に基づく占有者又は保持者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者が判明しない場合はこの限りでない。
(解除)
第7条 委員会は、前条第1項の規定により市の文化財として指定した文化財(以下「市指定文化財」という。)が、その文化的価値を失った場合、その他特殊な事由があるときは指定を解除することができる。
2 市指定文化財が市内に所在しなくなったとき、又は国若しくは道の文化財として指定を受けたときは、前条の指定が解除されたものとする。
3 市指定文化財である無形文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、その他特殊な事由があるときは、委員会はその認定を解除することができる。
(告示及び通知)
第8条 委員会は、前2条の規定により文化財の指定をし、若しくは解除した場合、又は無形文化財の保持者の認定をし、若しくは認定を解除したときは、速やかにその旨を告示し、当該文化財の所有者等に通知しなければならない。
(管理義務及び管理責任者)
第9条 市指定文化財の所有者等は、この条例並びにこれに基づく規則及び委員会の指示に従い、その文化財を管理し適正な保存に努めなければならない。
2 市指定文化財(無形文化財を除く。)の所有者等は、特別な事由があるときは、自己に代わり当該市指定文化財の管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
(所有者等の変更等)
第10条 市指定文化財(無形文化財を除く。)の所有者等を変更したときは、新旧所有者は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
2 市指定文化財の所有者等又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
3 市指定文化財である無形文化財の保持者が死亡し、又は保持者として不適当になったときは、相続人又は保持者は速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第11条 市指定文化財(無形文化財を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その所有者等(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(1) 文化財の所在する場所を変更しようとするとき。
(2) 文化財の全部又は一部が滅失し、又はき損し、若しくは亡失したとき。
(3) 市指定文化財である記念物の所在、地番、地目又は地積に異動があったとき。
(現状の変更等)
第12条 所有者等(管理責任者がある場合は、その者)は、市指定文化財の現状を変更しようとするとき、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ委員会の許可を受けなければならない。
2 委員会は、前項の許可について必要な指示を与え、又は条件を付することができる。
(管理又は修理に関する勧告)
第13条 委員会は、市指定文化財(無形文化財を除く。)の管理が適当でないため当該市指定文化財が滅失し、き損し、又は盗難のおそれがあると認められるときは、その所有者等(管理責任者がある場合は、その者)に対し、管理方法の改善、保存施設の設置、その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 委員会は、市指定文化財(無形文化財を除く。)がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者等(管理責任者がある場合は、その者)に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
2 委員会は、必要と認めるときは前項の修理等について指導助言を与えることができる。
(調査報告)
第15条 委員会は、必要があると認めるときは市指定文化財(無形文化財を除く。)の所有者等(管理責任者がある場合は、その者)の同意を得て、当該市指定文化財を調査し、又は管理の現状若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(公開)
第16条 委員会は、市指定文化財の所有者等(管理責任者がある場合は、その者)に対し、委員会の行う公開の用に供するため期間を定めて、当該市指定文化財を出品し、又は公開するよう勧告することができる。
2 前項の規定による出品又は公開により、当該市指定文化財が滅失し、又はき損したときは、市は所有者に対し通常生ずべき損害を補償する。ただし、所有者等の責めに帰すべき事由によって滅失し、又はき損した場合は、この限りでない。
(保存)
第17条 委員会は、市指定文化財(無形文化財を除く。)の保存のため必要があると認めるときは、関係者の同意を得て保存施設又は保存地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、その他保存に必要な措置を講ずることができる。
2 委員会は、市指定文化財である無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、無形文化財について記録の作成、伝承者の養成、その他保存のため必要な措置を講ずることができる。
(補助金の交付)
第18条 市は、市指定文化財の管理、修理、出品若しくは展示若しくは記録の作成、又は伝承者のため必要と認めたときは、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 委員会は、前項の補助金を受ける者に対し、その使途について必要な条件を付することができる。
(1) 補助金の交付を受けた目的以外の使途に補助金を使用したとき。
(2) 前条第2項の条件に従わないとき。
(3) 補助金を受けた文化財を他に有償で譲渡したとき。
(権利義務者の承継)
第20条 市指定文化財の所有者等の変更があったときは、新たな所有者等は当該市指定文化財に関してこの条例に基づいて行う委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者等の権利義務を承継する。
(委任規定)
第21条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、委員会が規則で定める。
(罰則)
第22条 市指定文化財を損壊し、き損し、若しくは隠匿した者又は滅失し、これを衰亡するに至らしめた者は、5万円以下の罰金若しくは科料に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年9月1日から施行する。
3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。