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ICT農業推進事業(産学官連携による農業の雇用力再生プロジェクト)成果報告

計画期間 

 

 平成28年12月13日~令和3年3月31日

 

背景

 

 農家戸数の減少や経営面積の拡大が続くなか、収益性の高い農産物の作付けを維持、向上していくためには労働力の確保が重要となっています。

 そこで、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用し、経営の現状をデータとして集め、多角的に分析することを可能とすることによって、現状の経営をしっかり把握したなかで新たな経営に向け事業を展開することを目的としてICT農業推進事業を実施しました。

 

豊作計画の概要

 

 トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ自動車」という。)が提供する営農支援サービスである「豊作計画」・「現場改善」を農業生産活動に導入して、その成果を検証し、改良点の考案等を行いました。

 

<豊作計画>

 自動車事業で培ったトヨタ生産方式(TPS)に基づく生産管理手法や改善ノウハウを農業分野に応用し、ICTツール「豊作計画」と「現場改善」の2つの活動で構成され、生産コストの見える化、農業生産工程管理などを行い、ムダを排除し経営の効率化や収益の向上をサポートするサービスです。

 

<ICT管理ツール豊作計画>

 農業の生産に関わるコスト、工程、生産計画、作業進捗を見える化し管理するために、計画、記録、確認、振り返りが実践できるクラウドシステムを活用します。

 管理者用PCと作業者用スマートフォンのアカウントを取得し利用します。管理者は年間~日々の計画を立案・振り当てし、作業者は作業指示に従って作業や操作することで、日報が作成され工程ごとに進捗管理を行うものです。作業時間・工数・圃場情報・作付など様々な表示、入力されたデータを日報別、圃場別、品目別、作業日別など多角的に分析することが可能で、生産性向上のための改善活動に生かすことができます。

 

<現場改善>

トヨタ生産方式に基づいた改善手法を農業現場で応用することで、ムダの削減をはじめとした原価低減を進め経営強化に役立てます。主に4S活動・見える化・小集団活動などの基本知識を農業者が習得し、経営体自身で活動できるようにする改善人材育成をトヨタ自動車の改善スタッフがサポートします。

・4S活動 ・・・整理・整頓・清掃・清潔

・見える化 ・・・ホワイトボードを使用し情報や考えを現場に開示

・小集団活動・・・従業員数名で現場の問題点について話し合い自主的に改善

 

 実証法人の概要

 4法人の協力により実施しました。 ※作付品目・従業員数は取組当初の数字となっています。

 

●ファームコントラクター(平成28年12月から令和元年12月)

 業務内容:機械作業受託及び農産物生産、堆肥製造

 作付品目:大豆8ha、牧草71ha、ニンニク1.5ha、緑肥3ha

 堆肥製造:約2,000t

 作業受託:約930ha

 従業員 :8名

●大規模農業生産法人(平成28年12月から平成31年3月)

 業務内容:農産物生産

 作付品目:水稲38ha、秋小麦19ha、大豆24ha、甜菜11ha、緑肥11ha

 従業員 :7名

●TMRセンター(平成28年12月から平成30年3月)

 業務内容:飼料作物生産及びTMR製造

 作付品目:牧草(経年)519ha、牧草(更新)20ha、牧草(新播)49ha、デントコーン304ha

 従業員 :9名

●ファームコントラクター(平成31年3月から令和元年12月)

 業務内容:機械作業受託

 作付品目:大豆42ha、秋小麦55ha、食用イモ13ha、澱原馬鈴薯1ha、甜菜19ha、そば2ha、

      ブロッコリー1ha、玉ねぎ7ha、かぼちゃ17ha、苗 床0.2ha、アスパラ0.5ha、とまと

      0.3ha、えんどう2ha、その他果樹0.03ha、緑肥12ha、牧草3ha

 作業受託:約162ha

 従業員 :6名 

 

検証の内容

 

<豊作計画システム>

●基本情報として農機・農薬等の使用する資機材の単価等の情報、作業内容を順番に並べた作付パターンを登録してお

 き、登録した情報に作業開始・終了時間の情報を日報として入力し、作業全体の流れの中で、どの要素(作業内容・圃

 場・農機等)に、いつ、どこで、どれだけ、時間やコストがかかっているのか検証。

●自由なフォーマットで集計できるレポート機能があり、レポートを登録すれば毎回同じ形式で出力できるため、収集

 データをすべてエクセルに出力し、分析や見える化に利用できるか検証。

●毎日作業終了時の日報作成や作業場所の位置図などペーパーワークの削減、クラウド型ツールにより短時間で正確な

 作業指示が可能となるか検証。

 

<現場改善>

●基礎講習で4S活動や見える化の指導により、いらないものがあることで発生する、いらないものを動かすムダ、い 

 らないものにまぎれて見つけづらくなる等のムダを無くす改善の基礎の実践、実作業でも4Sと見える化を基本に、

 圃場ごとの作業時間を見える化、圃場ごとに作業時間に差があることを数値で見えるようにし、いらない動きが無い 

 かなどムダを見つける視点や問題解決を進める手法を指導、現場で問題を見つけ解決できるよう進めることができる

 ようになるか検証。

●生産性の向上については、本市では大型機械、高性能機械など機械導入や大区画化等の機械生産性の向上を推進し解

 決策としてきており、「豊作計画」は、人の動きを中心に労働生産性の向上を優先して進める今まで地域には無かっ

 た手法であり、これまでの機械生産性に加え労働生産性の向上ノウハウを導入することで、現状からの更なる生産費

 (原価)の低減、作業の効率化が図られるか検証。

●「豊作計画」の特徴は「生産性向上・改善人材の育成」であり、自ら問題に気付き、改善していく人材育成を生産性

 向上などの問題解決の実践をとおし進める「小集団活動」の取り組みは、従業員で現場の問題について話し合い、自

 主的に改善していくもので、現場自らの力で改善のしくみを定着させ、人材育成が図られる職場となるか検証。   

 

【4S活動】 

作業前  作業中 作業後
作業前  作業中  作業後
   
活動の結果残すもの 活動の結果処分するもの
のこす 処分

 

【ホワイトボードを利用した見える化】

ボード  ボード2

 

 【小集団活動】

それぞれが問題と思うことを出し合い、整理する
集団1 集団2
 

<その他 法人の感想> 

・定期研修会に従業員を参加させることで普段研修会等に馴染みが無かった者も、徐々に研修会の内容が頭に入って、

 発想や気付きが変わってきた。

・下記のことが容易にできるようになる。

(1)各農業機械が持つ作業能力と実績・稼働率の把握

(2)農作業の実績をもとにして、最適な作業計画の組み立てが判断できる

(3)新たな取組みを検討する基礎資料になる(品目を増やしたいが労務配分が可能か?など) 

(4)改善すべきポイントが明確に見える

・作業手順など見える化が進むと後継者への情報伝達がよりスムーズになることに期待がもてる。

 

【研修会】 

研修1 研修2

 

 【現場のフォロー】

フォロー フォロー2

 

検証結果

 

 農業者と士別市・上川農業改良普及センター・北ひびき農業協同組合が連携し「豊作計画」を活用した経営改善の普及が進むことで、地域全体の生産技術の向上や、生産性の向上につながることが期待されたICT農業推進事業ですが、本市の営農体系への対応や費用面により、今後も継続して実施することは困難であるという現場の判断からICTツール「豊作計画」の使用を一時中断することとしました。

 検証結果からは士別市の営農になじまない部分もありましたが、ムダやムラの排除や作業の効率化、安全性の確保が図られる「4S活動」や従業員同士の話し合いから、自らが問題意識を持ち自らが会社を良くしようとする意識向上が図られる「小集団活動」等は、日々の営農で活用しており、市も関係機関との調整等、可能な部分は引き続きサポートしていくこととします。

 

 

  

お問い合わせ

経済部 農業振興課 農産係
代表: 0165-26-7122   

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